「名義預金」は税務調査のチェックポイント!判明したら税理士に相談しましょう。
相続税の税務調査で、税務署が特に目を光らせるのは「名義預金の有無」です。相続が開始した時はもちろん、名義預金が判明したらできるだけ早いうちに、税理士をはじめとした専門家に相談しましょう。
「名義預金」とは、預金の名義が配偶者や子、孫等になっていても、実質的には名義が別の人間が管理・支配している預金を指します。「家族にお金を残してあげたい」という一心で、親族の名義で預金口座を作り、財産を移し変えているケースは決して珍しくありません。
一方税務署では、相続財産の申告漏れを防ぐため、亡くなった人=被相続人の名義でない財産でも、実質的に被相続人が管理・支配していた財産の有無をチェックします。名義預金とみなされれば、例え被相続人本人の名義でなくても、被相続人の相続財産とみなされてしまいます。せっかく愛する家族のための預金口座を作っても、家族たちが相続税を支払うことになるのです。
◎ 名義預金は生前に預金の存在を知らせることが必須
名義預金を持っている場合、どうすればいいのでしょう。もし、「自分の相続はまだまだ先」と思っていらっしゃるのでしたら、預金口座の名義となっている親族に預金の存在を知らせ、通帳と印鑑を渡して、自由に使ってもらうようにしましょう。
そして、預金名義の親族が贈与税の申告を行いましょう。時間的余裕と金額によりますが、110万円の贈与税の基礎控除をめいいっぱい使っても、何年かに分けて申告することも考えられます。いくら親族の名義となっている預金でも、預金の原資は誰が負担しているかは、税務署が銀行で簡単に調べられるのです。「バレルわけがない」とたかをくくるのは禁物です。
もし、相続開始まで時間がなさそうな場合は、名義預金について理解し、名義となっている親族に理解し、名義となっている親族に知らせておくだけで、特にアクションを取らないほうがいいでしょう。贈与を行うと「相続開始前3年以内の贈与財産」は相続財産に加算されます。
では、相続が開始してから、名義預金があることが判明した場合はどうすればよいのでしょうか?「通帳・印鑑の管理・支配は被相続人が行っていた」「贈与税の申告をしていない」という状況であれば、名義預金とみなされる可能性が大きいでしょう。
親族のためにせっせと預金を移しかえても、名義預金とみなされて被相続人の相続財産に加算されてしまっては、預金を移した意味がありません。必ず生前のうちに、名義預金の存在を親族に知らせておくことが大切です。
「名義預金がある」「名義預金を発見した」ときは、まずは専門家に相談してください。状況をオープンにしたうえで、最善策を考えていきましょう。
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