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息子1人にすべての自社株を贈与した場合、相続税でどのような問題が起こる?

2018.04.29 | お知らせ

 私は会社を営んでおり、息子3人います。その中の三男を後継者として決め、自社株すべてを相続税精算課税により生前贈与しました。また「妻に自宅(4,000万円)を残し、子供は預金(4,000万円)を残し、3等分する」という遺言を作成しようと思っています。何か問題がありますか?
 贈与から1年以内に亡くなった場合、自社株の評価額評価額によって遺留分の金額は変わる可能性があります。
 民法上では、兄弟姉妹を除く法定相続人に対して最低限の相続分として確保するように定めています。また、相続開始前1年以内の贈与財産は、遺留分の基礎財産に含めなければいけません。つまり、自社株を三男に贈与してから1年以内に亡くなった場合は、自社株の評価額によって遺留分が変化するのです。
 相続人が妻と子供の場合、遺留分は遺産総額の2分の1とされています。仮にこの場合で自社株の評価額が1,000万円だった場合、遺留分の計算方法は以下の通りです。
  6,000万円(遺産総額)×1/2(遺留分)×1/2×1/3(息子の人数)=500万円
 息子1人当たりの遺留分は500万円となり、預金で遺留分を補えるので問題ありません。
 では、自社株の評価額が2,500万円だった場合はどうでしょうか?
7,500万円(遺産総額)×1/2(遺留分)×1/2×1/3(息子の人数)=625万円
息子1人当たりの遺留分が625万円となり、預金だけでは遺留分を満たせなくなってしまいます。足りない分は自社株によって補わなければいけません。
 事業承継における自社株の取り扱いについては民法で特例が設けられており、遺留分算定基礎から除外したり、評価額を固定したりすることが認められています。しかし、「遺留分を持っている推定相続人全員の合意」が必要など、手続きが煩雑で利用しづらいのが実情です。事業承継を検討されている方は、是非お気軽にお問い合わせください。
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